LLセットでコーラ缶グラスをコンプリート

ハンバーガーチェーンMでLLセットを頼むとコーラ缶型のグラスをもらえるキャンペーンをやってるらしい、と言うのを耳にして実際に行ってみた。
どうやら3色の中からランダムらしく、緑を入手。
あと2色もらうには何食LLセット食べればいいかなと思い、確率計算してみました。


「試行ごとに3種類の中からランダムで手に入る。n回目に3種類全て手に入っている確率を求めよ。3種類は相当数用意されており、残数を考慮せず常に各種 \frac{1}{3} の確率で手に入るとする。」こんなモデルでいいでしょう。


a_nn回目に1種類手に入っている確率として、同様に b_n を2種類、 c_n を3種類とします。(n\geq1)
求めるのは c_n というわけです。
ちなみにn回目ちょうどに3種類揃った確率ではなく、n回目以前に3種類揃う確率です。もし前者が求めたければc_n-c_{n-1}で求められます。


明らかにa_1=1,{\quad}b_1=c_1=c_2=0です。
漸化式立てると、
a_{n+1}=a_n\cdot\frac{1}{3} \cdots\quad(1)
b_{n+1}=a_n\cdot\frac{2}{3}+b_n\cdot\frac{2}{3} \cdots\quad(2)
c_{n+1}=b_n\cdot\frac{1}{3}+c_n \cdots\quad(3)
となり、確率なので当然
a_n+b_n+c+n=1 \cdots\quad(4)
も任意のnに対して成り立ちます。


蛇足ながら解説を少しすると、
(1)は(前回(n回目)に1種類だった確率 a_n) \times (今回(n+1回目)同じ1種類を入手する確率 \frac{1}{3})。
(2)は(n回目に1種類だった確率 a_n) \times (n+1回目に異なる2種類のいずれかを入手する確率 \frac{2}{3})
+ (n回目に2種類だった確率 b_n) \times (n+1回目に入手済みの2種類のいずれかを入手する確率 \frac{2}{3})
(3)は(n回目に2種類だった確率 b_n) \times (n+1回目に最後の1種類を入手する確率 \frac{1}{3})
+ (n回目に既に3種入手済みの確率 c_n)


さて解いていきます。
(1)からほぼ自明に、
a_n=(\frac{1}{3})^{n-1} \cdots\quad(5)
(2),\quad(5)より
b_{n+1}=\frac{2}{3}\{b_n+(\frac{1}{3})^{n-1}\}
両辺 3^{n+1} かけて
3^{n+1}{\cdot}b_{n+1}=2(3^n{\cdot}b_n+3)
両辺 6 加えて
3^{n+1}{\cdot}b_{n+1}+6=2(3^n{\cdot}b_n+6)
3^n{\cdot}b_n+6=6\cdot2^{n-1} \cdots\quad(6)
3^n{\cdot}b_n=6(2^{n-1}-1)
b_n=\frac{2(2^{n-1}-1)}{3^{n-1}} \cdots\quad(7)


(6)の手前で少しサボりましたが、d_n=3^n{\cdot}b_n+6 とおくとd_{n+1}=2d_n,{\quad}d_1=6となりますので(6)が導けます。


さて a_n, b_n が求まったので(4),\quad(5),\quad(7)より
c_n=1-(\frac{1}{3})^{n-1}-\frac{2(2^{n-1}-1)}{3^{n-1}}
\quad=1-\frac{2^n-1}{3^n-1}
このままでもいいですが少し整理して
c_n=\frac{3^{n-1}-2^n+1}{3^{n-1}}


さてある程度計算してみるとこんな感じに。(百分率を小数第2位で四捨五入)

n 3 4 5 6 7 8 9 \cdots
c_n(%) 22.2 44.4 61.7 74.1 82.6 88.3 92.2 \cdots

5,6食で全種類制覇できそうですね。
実際には某Mのポテトがあまり好きじゃないので数年ぶりの1食で十分でしたが。


いい頭の体操になりました。いまの学習要領知りませんが自分の頃、数列と漸化式と確率習うのは高校2年ぐらいでしょうか。
たまに数字と戯れるのは楽しいですね。
livedoor blog使ってたころに数式をtableタグで組んだことがありますが、はてなダイアリーtex記法が使えるので数倍楽でした。